鈴甲子雄山

天賦の兜 誉 1/5スケール

商品番号: yk070006

¥111,000(税込)
正絹の緋糸を純金箔押しの小札で威し、金具には、繁栄を意味する「唐草模様」を使用しています。

伝統的な兜に、現代的な白木の櫃を組み合わせたため、木材との調和から重厚感がありながらも派手すぎず、お部屋に馴染みやすい作品となりました。
シンプルな構造で、しまい方も立物を取り外して櫃にしまうだけですから、簡単に収納することが可能です。

※原寸の甲冑サイズの1/5スケールで制作してあります。弊社の中では1/6スケールが最も小さいサイズですので、比較的小さい作品になります。

※飾り方に関わらず、白木のお櫃はお付けしています。収納としてご活用いただけると幸いです。

残りわずか

順風丸をご利用いただきまして、ありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、こちらの商品の今年度の販売は終了いたしました。

お住まい近くの取扱販売店にまだ在庫がある場合もございますので、一度お問い合わせいただければ幸いです。

お問い合わせ
ご一緒にいかがでしょうか:
兜鉢:鉄
札板:アルミに純金箔押仕上げ
威糸:正絹
鍬形:真鍮24KGP
絵韋:鹿皮 燻
・櫃飾り:幅23×奥行21×高さ36(cm)

天賦之兜ができるまで

五月人形の在り方をみなおす

「雛人形はかわいいのでお家に飾りやすいが、鎧や兜は怖いので。。。」といったお声を耳にするようになりました。

これまで鈴甲子では、五月人形を伝統的な形から実物を精緻に模写する作品へと展開を広げ、自分達作り手がみて美しいと思った作品、心動く作品を再現することに注力し、技術力に磨きをかけてきました。またそうした、職人として作りたい作品こそが五月人形としてふさわしいと信じて突き進んできました。

そんな中、上のようなお声を直接いただいた時はとても大きな衝撃で、作品作りの根本を見直すきっかけとなりました。こんな出来事から、インテリアに調和しつつも柔和すぎず、五月人形としての存在感も持たせたバランスの取れた作品を作ろうとはじまったのが、「天賦の兜」シリーズです。

五月人形の在り方をみなおす

季節感を感じられる作品を

コンセプトは「飾るのが楽しみになる作品」に決めました。4月の少し温かくなってきた風を感じたときに、お家を見回すと飾っていない寂しさを覚えるような、季節を感じられるような、冬に街を歩いていてクリスマスのライトアップを見つけた時の、季節を発見したような嬉しい感覚を、五月人形でも感じられるような、そんな作品をつくろうと方向性をまとめました。

季節感を感じられる作品

作品のこだわりや細部の技術の紹介

こどもの日のテーマを添えた配色の提案

威糸の配色には気を使いました。五月人形は3月20日・21日にある、春分の日以降に飾ることが多いとされています。そのため、その時期になると思い出せるような配色を取り入れようと考えました。

  • 風が温かくなってきたことで、少し白みがかった空の水色
  • 冬を越えてきれいな色をつけ始めた桜の華の色
  • 雪が溶け、やっと見えるようになった大地の色

自然な色合いを取り入れようとさまざまな色の糸を取り寄せて、試作の制作に取り掛かりました。糸を重ねた時のイメージと、全体を編み上げた後の出来上がりは印象が全然違ってくることが多いので、さまざまな配色を試してみました。

春の優しいイメージを作るにあたって、鍵となったのがパステルカラーでした。これまでの配色は実物に近い原色の鮮やかな赤や青、薄い色合いがあったとしても下を赤で締めるといった、男性的な感覚が多く、パステルカラーのような薄い色合いのみで構成する配色は検討したことがありませんでした。端の部分に赤などの強い色で締めない色感覚というのは、一般的には単純な発想なのかもしれませんが、ここに行き着くまでに長く試作を繰り返しました。

こうして新しい配色のデザインとして、天賦の兜の三色は誕生しました。空と大地は間に白が入った中白という配色です。空の白は雲を、大地の白は雪解けを表現しています。華は灰色の中に、薄紅色を入れています。これは寒い季節から、桜が見え始め春の訪れを感じるような表現を目指しました。

作品のこだわりや細部の技術の紹介

春の色に合わせた本体のコーディネート

金具の色は雄山では主に金・銀・黒とございますが、今回は 春の明るさを出すため、金色を採用しています。また糸の淡い配色を生かすため、天賦の兜の作品ではあえてツヤを消した金色の金具を多く用いています。全体的にボケてしまうため、ここで初めて締めとして、鍬形の台の縁を磨いてツヤを出して、バランスを取ることにしました。

吹き返しの部分には、龍村美術織物-たつむらびじゅつおりもの- の「桐に向鳳凰丸文錦-きりにむかいほうおうまるもんにしき- 」(通称:壬生寺裂-みぶでらぎれ- )を用いています。壬生寺は節句とは縁が深く、季節の節目という意味での「節分」の季節に壬生寺で700年行われる壬生狂言の衣装で、こちらの織物は採用されています。

デザインだけでなくこうした歴史背景を取り入れた裂地-きれじ- を用いることで、デザインだけではない重厚感のある作品が完成しました。

春の色に合わせた本体のコーディネート

インテリアに調和する白木の温かさ

初めての試みだったのは、糸の配色だけではありませんでした。付属となる、兜を掛けておく芯木、収納のお櫃に白木を採用しています。通常、五月人形というと、黒いお櫃に濃い紫や緑の布をかぶせた飾り方が一般的ですが、今回の作品の世界観には馴染みませんでした。

元来、五月人形は和室に合わせたセッティングとなっており、空間を区切る目的で強い色の組み合わせを多く採用してきました。特に五月人形では緑色の毛氈を用いるイメージが強いかと思いますが、これは神様が降り立つ空間を作るため、緑という神聖な(よもぎをイメージした)空間を演出しているのです。

ただ、今回の天賦の兜の作品作りにおいては「調和」がキーワードになり、空間を区切るというより、空間になじませるデザインを目指しました。そのため現代の家に多い、白調に木目といった色の少ない自然なデザインを、付属品には採用することで、兜とのバランスを取ることにしました。

そのため、お櫃の木材は色が白過ぎず赤過ぎずの、ちょうどよい塩梅にほんのり赤みのある無垢材を選びました。また、芯木は通常袱紗を被せるため見えなくなるのですが、今回は木の自然な印象をあえて全面に出そうと、芯木を見せる演出にしています。そのため、曲線美のある見栄えのする芯木を新たにデザインしました。

インテリアに調和する白木の温かさ

SERIES

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ジャンル多彩な五月人形をご用意しております。

  • 天賦之兜TENP KABUTO

    白を基調に淡いナチュラルな色合いの兜飾り

  • YAYA

    天使のような我が子の寝顔を表現しました

  • タンゴ侍TANGO

    置くだけで飾れるコンパクトな鎧飾り

  • もののふ童MONONOFU

    壹三の愛らしくも勇ましいこども大将たち

  • 漆黒SIKKOKU

    漆黒の艶消し塗装を施した、シックな印象の兜飾り

  • Armaduraアルマドラ

    アンティーク調を意識した本革仕立ての甲冑

  • ZEN

    艶消しの落ち着きある和のデザイン

  • 奉納HOUNOU

    国宝や重要文化財を忠実に模写した鎧と兜

  • 戦国名将SENGOKU

    戦国時代を生き抜いた名将たちの誇り

  • 平安道斎HEIAN DOUSAI

    ワンランク上のお節句を・・ 純金箔押し仕立ての最高級品

  • おぼこ丸OBOKO MARU

    丸をテーマに制作した、オリジナルのお節句キャラクター